りゅうこつ座(読み)りゅうこつざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「りゅうこつ座」の意味・わかりやすい解説

りゅうこつ座
りゅうこつざ / 竜骨座

冬の宵の南の地平線上に見える大星座。その全容は、グアム島あたりの低緯度まで南下しないと見ることができない。アルゴ座を4分割したものの一つで、アルゴ船船体の部分を形づくっているが、船の形をそこに想像するのは少々やっかいといえる。星座の東半分が天の川の中に浸っており、明るい星が多くたいへん華やかな星座であるが、なかでも全天で第2位の明るさを誇るカノープス(マイナス0.7等星)の輝きが目をひく。ただし、南の地平線すれすれのところにしか姿を現さないため、日本国内では実際の明るさよりずっと暗い星としてしか見えず、しかも東北地方中部以北では南の地平線上に顔を出さないので見ることもできない。そのようなことから、日本や中国ではこの星を見ることは縁起のよいこととされ、南極老人星、老人星、寿星(じゅせい)などともよばれている。

[藤井 旭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「りゅうこつ座」の意味・わかりやすい解説

りゅうこつ座
りゅうこつざ
Carina

竜骨座。3月の宵に南中する南天星座。概略位置は赤経8時 40分,赤緯-62°。アルゴ座を N.ラカイユが4つに分割したうちの一星座。α星カノープスシリウスに次ぐ全天第2の輝星。η星は過去数回爆発を起し,反復新星とも異なる特異な新星である。

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