アッシュール(神)(読み)あっしゅーる(英語表記)Aššur

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アッシュール(神)」の意味・わかりやすい解説

アッシュール(神)
あっしゅーる
Aššur

アッシリア帝国で厚い尊崇を受けていた有力な神。アッシリアおよび後のシリアの名はこの名に発する。アッシリア帝国では、各都市ごとにアッシュール神を祀(まつ)る神殿が建てられ、この神名を含む名をもつ皇帝も多かった(アッシュール・バニパル=アッシュール・バーン・アプリ、アッシュール・ウバリトなど)。シュメール系統の神ではなく、西セム人に起源する神と考えられ、西セム人の男神アシェラー、女神アシェラタともつながりがあると思われる。アッシュール神は、古くはシュメール系男神エンリルと対等であったが、のちエンリルを駆逐し、またしばしば女神イシュタルと同じ神殿に祀られている。

矢島文夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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