アメンチア(その他表記)Amentia[ドイツ]

デジタル大辞泉 「アメンチア」の意味・読み・例文・類語

アメンチア(〈ラテン〉amentia)

中毒伝染病などによって意識が混濁した状態当人意識障害を自覚して困惑するのが特徴

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精選版 日本国語大辞典 「アメンチア」の意味・読み・例文・類語

アメンチア

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] amentia ) 意識が錯乱してはっきりしない症状精神錯乱

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改訂新版 世界大百科事典 「アメンチア」の意味・わかりやすい解説

アメンチア
Amentia[ドイツ]

精神医学用語。感染症,膠原(こうげん)病,内分泌疾患,代謝疾患などに際してみられる意識変容の一型で,錯乱と困惑をおもな特徴とする。せん妄の前段階や回復期にみられ,意識混濁の程度は軽いが思考がまとまらず,自己の置かれている立場と周囲の状況を理解することができず,一方では,このような障害と思考散乱が意識されるために困惑し,情動的にも不安定となる状態。ときには夢幻様の意識や若干の幻覚を伴うこともある。Amentiaという言葉(ラテン語に由来し,aは否定を,mens知性理性を意味する)は,ウィーンの精神科医マイネルトT.H.Meynertによって用いられたため(1890),英語でMeynert's incoherence syndromeともいわれる。最初は,急性精神障害の際にみられる了解の障害と錯乱を意味した。その後,ボネファーK.Bonhoefferが脳疾患と中毒性疾患を除くからだの病気のときに,原因疾患にかかわらず共通の精神症状がみられることに注目し,アメンチアを含むこれらの症状を外因反応型として記載した(1912)。以来アメンチアは,外因反応型を呈する疾患,すなわち症状精神病の特徴的な意識障害の一型とされた。なおイギリスでは,amentiaは精神遅滞を意味し,かわってconfusionという言葉が用いられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アメンチア」の意味・わかりやすい解説

アメンチア
あめんちあ
amentia

語義概念が広く、イギリスでは知的障害を意味するが、一般には意識障害をさす。意識の内部で注意が意識野の中心に集中せず、他の方向に向く意識変容の一種である。軽い意識混濁があり、思考がまとまらず散乱(思考散乱)する。また、周囲の状況を理解しようとするが、わからず困惑する。重篤な意識混濁やせん妄(もう)からの回復期にみられることが多く、症状精神病、とくに産褥(さんじょく)精神病にしばしばみられる。

[永田俊彦]

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