イチゴハナゾウムシ(読み)いちごはなぞうむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イチゴハナゾウムシ」の意味・わかりやすい解説

イチゴハナゾウムシ
いちごはなぞうむし / 苺花象虫
[学] Anthonomus bisignifer

昆虫甲虫ゾウムシ科に属する昆虫。日本全土および、千島列島樺太(からふと)(サハリン)に分布する。体長3ミリメートル内外で、体は前方へ細くなり、吻(ふん)が前へ突き出る。黒色灰白色の短毛に覆われ、上ばねは赤褐色であるが、前部の三角紋と後方両側の三角紋は黒い。イチゴバラの花やつぼみを食べるので害虫とされているが、野外のバラ科植物にも多くみられる。成虫は4月ごろから現れて吻でつぼみに穴をあけて産卵し、幼虫はつぼみの中で成長する。成熟した幼虫は土中に潜って蛹(さなぎ)になる。

[中根猛彦]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「イチゴハナゾウムシ」の意味・わかりやすい解説

イチゴハナゾウムシ

ゾウムシ科の甲虫の1種。体長3mm内外,黒色で翅は赤茶色。日本全土,樺太(サハリン),千島に分布。成虫は夏に発生。成虫で越冬し,イチゴ,バラなどの害虫。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のイチゴハナゾウムシの言及

【ゾウムシ(象虫)】より

… ゾウムシ科はその食性から害虫が少なくない。衰弱した松類の樹皮下に穿孔(せんこう)するマツキボシゾウムシ,マツノシラホシゾウムシ,イチゴ,バラなどの新芽を枯死させるイチゴハナゾウムシ,稲の葉や根を食害するイネゾウムシイネミズゾウムシ,穀類を食べ荒らすコクゾウムシ(イラスト)(オサゾウムシ科としても扱われる),栗の実に潜り込むクリシギゾウムシ,野菜類を食害するヤサイゾウムシ(イラスト)などは著名である。【林 長閑】。…

※「イチゴハナゾウムシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android