ウィーヘルト(Johann Emil Wiechert)(読み)うぃーへると(英語表記)Johann Emil Wiechert

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウィーヘルト(Johann Emil Wiechert)
うぃーへると
Johann Emil Wiechert
(1861―1928)

ドイツの地球物理学者。ティルジット(現、ロシア領ソビエツク)の生まれ。ケーニヒスベルク大学(現、イマヌエル・カント・バルト連邦大学)に学び、1905年ゲッティンゲン大学教授となった。地震波を用いて地球の内部構造を解明する数学的理論を研究し、1886年に、岩石質マントルの厚さは約1200キロメートルで、それが鉄の核を包んでいるという学説を発表した。マントルと核の区別が確立したのは、その後の地震波の解析による。また地震計の数学的理論についても詳しい研究を行った。ウィーヘルトの地震計は「煤(すす)書き方式」(煤を付着させた紙などを針で削り、地震の揺れを記録する方式)の機械的地震計としては最良といわれ、日本でも各測候所で長い間使われていた。

[藤井陽一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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