エークナート(英語表記)Eknāth

改訂新版 世界大百科事典 「エークナート」の意味・わかりやすい解説

エークナート
Eknāth
生没年:1533-99?

インド西部,マラーター地方(マハーラーシュトラ)の宗教家。バーガバタ派の著名なバーヌダースの曾孫。パイタンの生れであるが,12歳以来,パンダルプルなどの聖地を中心に活動した。正規のサンスクリットの教育を受けたが,俗語マラーティーで《バガバッドギーター》の注釈書《ジュニャーネーシュワリー》を著した13世紀の宗教家ジュニャーネーシュワル傾倒,同書の編纂に当たった。彼は,熱烈な一神教的なバクティ(信愛)の念を歌い上げる宗教詩人として膨大な詩を作ったといわれるが,現存するものとしては,聖典バーガバタ・プラーナ》の第11章への注釈書,《ラーマーヤナ》の精神を歌った《バーバールタ・ラーマーヤナ》がある。いずれもマラーティー語で書かれている。ジュニャーネーシュワル,ナームデーオに続くマラーターの民衆宗教家として,有名な17世紀のトゥカーラームの思想形成に大きな影響を与えた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android