カプリッチョ

デジタル大辞泉 「カプリッチョ」の意味・読み・例文・類語

カプリッチョ(〈イタリア〉capriccio)

《気まぐれの意》形式にとらわれない、快活で諧謔かいぎゃく的な楽曲狂想曲奇想曲カプリッチオ

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百科事典マイペディア 「カプリッチョ」の意味・わかりやすい解説

カプリッチョ

フランス語ではカプリスcapriceで,奇想曲,狂想曲とも訳す。バロック時代鍵盤(けんばん)音楽で,フーガ性格をもちながら比較的自由な形式をもつものに使われた。19世紀以降は,気まぐれな性格の器楽小品にこの名称が用いられるようになり,メンデルスゾーンブラームスピアノ小品が書かれた。また,パガニーニは無伴奏のバイオリン練習曲にこの名称を使い,ストラビンスキーのピアノとオーケストラのための《カプリッチョ》のような管弦楽作品もある。

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改訂新版 世界大百科事典 「カプリッチョ」の意味・わかりやすい解説

カプリッチョ
capriccio[イタリア]

器楽曲の名称。カプリスcapriceともいう。〈奇想曲〉または〈狂想曲〉と訳されるが,意味合いは時代により異なる。(1)17世紀のカプリッチョはリチェルカーレファンタジー幻想曲)などと共に初期フーガの一形態とみなされるが,比較的形式に拘束されない自由な模倣スタイルを示している。(2)メンデルスゾーンやブラームスなどの気まぐれで生気にあふれたピアノ小品に付けられた名称。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カプリッチョ」の意味・わかりやすい解説

カプリッチョ
capriccio

曲種名。「奇想曲」「狂想曲」と訳される。 (1) 17世紀には,初期フーガ形式の一つ。親しみ深い民謡旋律や描写的な音型テーマとし,形式に束縛されることが少なかった。 (2) 19世紀以後には,ユーモラスな表情や気まぐれな性格をもつ小曲にこの名が用いられた。形式はほとんど3部形式。メンデルスゾーン,ブラームスらの作品がある。またパガニーニの『24のカプリッチョ』は,気まぐれと思えるほどバイオリンの華麗な技巧を駆使した小曲集。

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デジタル大辞泉プラス 「カプリッチョ」の解説

カプリッチョ

ドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスドイツ語による全1幕のオペラ(1942)。原題《Capriccio》。台本は名指揮者として知られるクレメンス・クラウス。「クレメンス・クラウスとリヒャルト・シュトラウスによる音楽についての一幕の対話劇」という副題を持つ。

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