国指定史跡ガイド 「カリンバ遺跡」の解説
カリンバいせき【カリンバ遺跡】
北海道恵庭(えにわ)市黄金町にある縄文時代から近世アイヌ文化期の墓・住居跡。現在は消滅したがかつて存在した「カリンバ川」(カリンバはアイヌ語で「桜の木の皮」)の低地面とそこから2~3m高い段丘面に広がる。とくに、縄文時代後期(約3000年前)から晩期にかけて生産された漆製品を多数納めた合葬墓遺跡は貴重で、3基の合葬墓から出土した副葬品はすべて国の重要文化財となっている。漆製品のほか玉、勾玉(まがたま)、サメの歯、土器を含む。1999年(平成11)、土地区画整理事業による道路工事に際し、旧カリンバ川の南側で発掘調査を行った結果、縄文時代後期の土坑墓群を含む多数の土坑が発見され、副葬品も大量に出土。2000年(平成12)から2003年(平成15)にかけて分布調査が実施され、2005年(平成17)に段丘面と低地面の約4.26haが国指定史跡になった。出土した漆製品は遺跡からは直線距離で約2km北にある恵庭市郷土資料館で見学でき、遺跡はカリンバ自然公園に隣接する。JR千歳線恵庭駅から徒歩約10分。