ガザール川(読み)ガザールがわ(英語表記)Baḥr al-Ghazāl

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガザール川」の意味・わかりやすい解説

ガザール川
ガザールがわ
Baḥr al-Ghazāl

南スーダン北部を流れるナイル川支流。全長 716km。ノウ湖を経てジャバル川と合流し,東流してホワイトナイル川に注ぐ。ガザールカモシカの意。コンゴ民主共和国や中央アフリカ共和国との国境地帯に発する河川から上流の水を集めるが,ガザール川と呼ばれるのはこれらの諸川を合流させてからである。かつてギリシア人によってナイル川の源流と考えられていたことがあり,探検史とスーダンの歴史にも大きな役割を演じた。また 1772年にはフランスの地理学者ジャン=バプテスト・B.ダンビルによって地図に描かれた。近代以降もホワイトナイル川との合流点から上流 488kmのワーウまでの河川運輸によって地方経済に貢献している。しかし,スッド地方を通過する際,流量は半減し,ノウ湖への流量は,最大でも毎秒 48m3にすぎない。沿岸地方にはハエの媒介するフィラリアの人体寄生による眼病失明が多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android