クラドフレビス(英語表記)Cladophlebis

改訂新版 世界大百科事典 「クラドフレビス」の意味・わかりやすい解説

クラドフレビス
Cladophlebis

中生代に産する分類上の位置不明なシダ一部の葉に便宜的に与えられた形態属名。世界で約500種類(日本からはそのうち約50種)が知られている。小羽片の一次脈が両側単純または数回分枝する側脈があり,一次脈と側脈との区別が明瞭でないスフェノプテリス属Sphenopteris(形態属)と便宜的に区別される。三畳紀やジュラ紀初期のものは比較的大型で,これらはおそらく,ゼンマイ科リュウビンタイ科に属するものであろう。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラドフレビス」の意味・わかりやすい解説

クラドフレビス
Cladophlebis

中生代のシダ類の葉の化石で,形態種または人為的種といわれるもの。ゼンマイ科のある種に似た羽片をもつが,子嚢を生じていない裸葉から成る。この属名で呼ばれる化石は,化石植物学上,類縁関係の不明ないろいろのものが含まれている。しかし,層位学的に役立つものが含まれているので,地質学者の研究対象とされており,日本にも産出があり,三畳紀から白亜紀にかけて十数種が記載されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android