ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレメンテ」の意味・わかりやすい解説
クレメンテ
Clemente, Roberto
[没]1972.12.31. プエルトリコ,サンフアン
プエルトリコ出身のプロ野球選手。フルネーム Roberto Clemente Walker。アメリカ合衆国でラテンアメリカ出身のスター選手のさきがけとなり,プエルトリコでは英雄的存在。1954年ブルックリン・ドジャーズと契約を結びマイナーリーグでプレーしたのち,1955年ピッツバーグ・パイレーツに移籍して大リーグデビュー。その後の選手生活のすべてとなる 18シーズンにわたってパイレーツでプレーし,走攻守でファンを魅了し続けた。守備ではゴールドグラブ賞を 12回受賞。打撃面でも傑出し,ナショナルリーグの首位打者 4回,終身打率 3割1分7厘を記録。1972年,選手として最後となる打席で史上 11人目の 3000本安打を達成した。1972年12月にニカラグアで大地震が発生したのをうけ,プエルトリコで救援活動に参加。ニカラグア軍による救援物資の横領を懸念して同乗した輸送機が,サンフアン空港を離陸直後に墜落し,不慮の死を遂げた。翌 1973年ラテンアメリカ出身選手として初めて野球殿堂入り。規定では現役引退(または死亡)後 5年以上の経過が殿堂入りの条件だが,特例が適用された。
クレメンテ
Clemente,Francesco
イタリアの画家。建築を学ぶためローマ大学に入学したが,美術に関心が移り,1971年から素描を始めた。同年初個展を開く。一時はアルテ・ポーベラの影響で写真による作品を制作したが,1970年代後半絵画に戻った。キリコとピカビアに関心を寄せ,にじんだ彩色によって裸体を描き,作品は詩情とエロチシズムを特色としている。 S.キア,E.クッキとともにイタリアのニュー・ペインティングの 3Cと呼ばれる。代表作『彼女への転換』 (1983,ニューヨーク近代美術館) 。
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