クンショウモ(読み)くんしょうも

改訂新版 世界大百科事典 「クンショウモ」の意味・わかりやすい解説

クンショウモ (勲章藻)
Pediastrum

4個,8個,16個,32個または64個の細胞が同一平面上に一見勲章を思わせる形状に,放射状に集まって群体をつくる緑藻。クロロコックム目アミミドロ科の1属。種類数が多く,日本では約10種を数える。群体の大きさは多くの種では100μm程度で,群体を構成する細胞の大きさは10~30μmのものが多い。また周縁部の細胞が外側に向かって1~2本の角状突起をもつ種が多い。世界各地水田,池,湖沼,水溜りなどに生育する。同じ科のアミミドロと同じように,体細胞分裂は決して行わない。群体の形成に際しては,各構成細胞内に母群体の細胞数と同じ数の遊走子が形成され,それらが細胞内で互いに接着して母群体と同じ形状の群体をつくる。やがて母細胞の細胞壁が破れると娘群体は放出され,新しい群体に生長する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クンショウモ」の意味・わかりやすい解説

クンショウモ
くんしょうも / 勲章藻
[学] Pediastrum

緑藻植物、アミミドロ科の淡水産プランクトン性単細胞藻の1属。4~64個の単細胞体が、一平面上にやや放射的に並んで円盤形の群体をつくる。内側の細胞群は多角形であるが、外側の細胞群は凹形になり、全体としてはきれいな鮮緑色の勲章形になるため、この名がつけられている。水中浮遊、あるいは水草類の葉上着生の状態で各地の淡水域に出現するが、生育量は少ない。

[新崎盛敏]

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