デジタル大辞泉
「全体」の意味・読み・例文・類語
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ぜん‐たい【全体】
[1]
① 身体のすべての部分。身体の全部。全身。
※正法眼蔵随聞記(1238)三「但思
二仏意
一、身肉手足分可
レ施
二衆生
一。現に可
二餓死
一衆生には、直饒
(たとひ)以
二全体
一与とも、可
レ叶
二仏意
一」 〔
釈名‐釈飲食〕
② 物・
事柄の全部。機構・組織など、ひとまとまりのもの残らず全部。
※正法眼蔵(1231‐53)弁道話「初心の弁道すなはち本証の全体なり」
※
俳諧・
去来抄(1702‐04)「汝が句は何を以て作したるとも見えず、全体の好句也」
③ 天から受けた完全な本体。〔朱熹‐答程允夫書〕
[2] 〘副〙 ある事柄を全般的・概括的に考えていう時に用いる語。一体。一体全体。
(イ) 結論づけをするような場合に用いる。もともと。もとより。
※雲形本狂言・
隠狸(室町末‐近世初)「全体
(ゼンタイ)私は生れ付て
殺生は嫌でござる」
※
滑稽本・
浮世床(1813‐23)初「通人だの通り者だのといふ奴は全体
(ゼンテヘ)野暮だぜ」
(ロ) 特に、疑問の意を強く表わす場合に用いる。全くわからないという
気持が含まれる。
※滑稽本・
東海道中膝栗毛‐
発端(1814)「ぜんてへ是はどふいふ訳か、さっぱりわからねへ」
※
暗夜行路(1921‐37)〈
志賀直哉〉一「『全体どうしたの?』さう云ってお加代が身を起した時」
(ハ) こまかいことはともかく、大づかみに言う場合に用いる。おおかた。おおよそ。〔詞葉新雅(1792)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「全体」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報