ゲーリング(Reinhard Goering)(読み)げーりんぐ(英語表記)Reinhard Goering

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ゲーリング(Reinhard Goering)
げーりんぐ
Reinhard Goering
(1887―1936)

ドイツの劇作家。医学を学び、第一次世界大戦中は軍医を勤める。結核で退役し、療養中に書いた戯曲海戦』(1917)で一躍表現主義の代表的劇作家と目され、クライスト賞を受賞。これは築地(つきじ)小劇場杮落(こけらおと)しに土方与志(ひじかたよし)演出で上演され(1924)、わが国新劇界に大きな影響を与えた。ほかに新即物主義的戯曲『スカパ・フロウ』、『救い手』(ともに1919)があり、二度目のクライスト賞受賞作『スコット大佐の南極探検』(1930)は実存主義の先取りとも評される。精神科医院を開業したこともあるが、放浪癖のため定住できず、ヨーロッパ各地を転々とし、36年イエナで自殺を遂げた。

山本 尤]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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