コルテス(スペインの身分制議会)(読み)こるてす(英語表記)Cortes スペイン語

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コルテス(スペインの身分制議会)
こるてす
Cortes スペイン語

中世後半スペインの身分制議会。王と僧族・貴族代表からなる統治助言・承認機関「クリア・レヒア」に平民(都市自由民)代表が新たに加わって成立。1188年レオン王国で初めて開催された。これはドイツ、イギリス、フランスに半世紀から1世紀先んじている。租税負担同意の対価として王権制約を求めることが基本的機能で、のち立法機能も備えるようになった。カスティーリャでは僧族、貴族、平民の3身分による構成であったが、身分別審議制はなく、不定期開催で立法機能の確立をみないまま、貴族間抗争の激化のため、14世紀には開催不能となった。コムニダーデスの乱(1520~21)以後は、王領地内18の都市代表のみの参加となり、翼賛的機関となった。アラゴンでは大貴族、騎士聖職、平民の4身分からなり、厳格な身分別審議制であった。王権の不法行為の有無がつねに第一議題とされ、13世紀に立法権を確立、14世紀からは定期開催(隔年)となって、王権監視、制約の機能を強めたが、スペイン継承戦争に勝利したフェリペ5世により廃止された。

山本 哲]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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