コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(読み)こんしゅーまーえれくとろにくすしょー(英語表記)Consumer Electronics Show

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コンシューマー・エレクトロニクス・ショー
こんしゅーまーえれくとろにくすしょー
Consumer Electronics Show

全米民生技術協会(Consumer Technology Association:CTA。旧、全米家電協会)が主催する世界最大規模の家電見本市。英語名を略してCES(セス)とよばれることが多い。一般向けではなく、取引業者限定で、世界の電機、情報技術(IT)、通信会社のほか、IT化が進む自動車メーカーなど3000社以上が参加し、新製品や新技術の発表・展示を競い、家電製品だけでなく、情報端末や自動車を含んだ次世代消費財の行方を占う場となっている。また企業間の技術提携や、大手企業トップによる経営戦略の発表の場にもなっている。これまでにCESで発表された製品には、ビデオカセットレコーダー(VCR)、コンパクトディスク(CD)プレーヤー、3DHDテレビ、インターネットと接続するスマート家電、身につけて使うウェアラブル端末、自動運転車などがある。

 1967年6月にニューヨークで初めて開催された。年2回(冬CES、夏CES)開催されていた時期もあるが、1995年からはネバダ州ラス・ベガスを開催地として、毎年1回、1月に開かれている。2000年代初めには、それまで「COMDEX(コムデックス)」(Computer Dealers Exhibition)が担ってきたコンピュータ関連製品の展示機能を事実上吸収して規模を拡大した。パソコンや情報技術端末に関心が集まった1995~2008年には、開幕前夜に開かれるマイクロソフト会長ビル・ゲイツ基調講演が最大の呼び物であった。2010年前後からは韓国メーカーや中国メーカーが巨大展示スペースを確保して存在感を示すようになった。2015年には中国・上海(シャンハイ)で初めて「CESアジア」が開かれた。なお、同様の見本市には、毎年ドイツ・ベルリンで開かれるヨーロッパ最大の家電見本市IFA(Internationale Funkausstellung)がある。

[矢野 武 2016年8月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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