サセックス(読み)させっくす(英語表記)Sussex

翻訳|Sussex

精選版 日本国語大辞典 「サセックス」の意味・読み・例文・類語

サセックス

(Sussex) イギリス、イングランド南東部の地方イギリス海峡に面する。東、西両サセックス県から成り、東はルーイス、西はチチェスターが中心。ローマ時代から開け、アングロサクソン七王国の一つ。海岸地帯は有数保養地

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デジタル大辞泉 「サセックス」の意味・読み・例文・類語

サセックス(Sussex)

英国、イングランド南東部の地方名。イギリス海峡に臨む。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サセックス」の意味・わかりやすい解説

サセックス
させっくす
Sussex

イギリス、イングランド南部、イギリス海峡に臨む旧カウンティ(県)。1974年の地方行政改革により、イースト・サセックス県とウェスト・サセックス県に分割された。イースト・サセックス県は面積1713平方キロメートル、人口49万2324(2001)で、1997年にはブライトン・アンド・ホーブ地区がユニタリー・オーソリティー(一層制地方自治体)として分離している。県都ルーイスLewes。ウェスト・サセックス県は面積1988平方キロメートル、人口75万3612(2001)、県都チチェスターChichester。緩やかな起伏が続く丘陵地で、ケスタ地形が多くみられる。南岸沿いには中生代の白亜層が露出し、とくにビーチー・ヘッド(岬)に近いセブン・シスターズとよばれる七つの海食崖(がい)はみごとである。海浜保養地が多いが、内陸丘陵では牧羊、牧牛、酪農や、ホップリンゴなどの栽培が盛ん。セメント、ガラス、陶器、醸造などの工業も立地する。

[久保田武]

歴史

古くはケルト系ブリトン人の首長国であったが、紀元後43年ローマの支配下に入り、やがて477年には南サクソン人South Saxonsが侵入してこの地方に部族王国を建てた。サセックスという地名はこの王国に由来する。1066年、イギリス海峡を挟んで対岸ノルマンディーからウィリアム(1世)が上陸し、ハロルドとの決戦ヘースティングズの戦い)に勝利を収めたのはこの地方である。百年戦争でもフランス軍の襲撃を受け、沿岸の町は戦火を被った。ワット・タイラーの一揆(いっき)やケードの乱で隣接県ケントとともにその一中心となったのは、経済的に先進地域であった事情が背景にある。宗教改革後は全体としてプロテスタントの信仰を受容し、後代にはクェーカー教徒を多く出した。ピューリタン革命のときにこの地が議会側の有力な支持基盤となったのも、このことと関連がある。18世紀中葉以降、早くも海岸保養地帯として発展した。

[松垣 裕]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サセックス」の意味・わかりやすい解説

サセックス
Sussex

イギリスイングランド南東部の地方。旧県名。アングロ・サクソン七王国の一つであるサセックス王国から発展した地方で,領域的にも同王国にほぼ一致する。行政的には 1889年この地方がイーストサセックス県ウェストサセックス県に分割され,1974年の自治体再編時に両県の領域に多数の変動があったのち,1997年にイーストサセックス県からブライトン・ホーブが単一自治体(ユニタリー unitary authority)となって分離し今日にいたっている。

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百科事典マイペディア 「サセックス」の意味・わかりやすい解説

サセックス

英国,イングランド南東部,イギリス海峡に面する地方。北部にウィールド,南部にサウス・ダウンズの両丘陵が東西に走り,中央部に低地が開ける。農牧業が中心で,小麦,燕麦,甜菜(てんさい),ホップ,果樹などの栽培,酪農が行われる。製陶,ガラス,セメント,農産物加工などの工業もある。古代七王国の一つ。地理的に大陸に近いため,中世の英仏関係において重要な地方であった。行政的には東西2州に分かれる。イースト・サセックスは州都ルイス,1709km2,52万6671人(2011)。ウェスト・サセックスは州都チチェスター,1990km2,80万6892人(2011)。

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世界大百科事典(旧版)内のサセックスの言及

【七王国】より

…5~9世紀にかけて,イングランドに渡来・定着したアングロ・サクソン人が形成した小部族王国。東南部のケント(ジュート人が建国),テムズ川下流を占めたエセックス,西部に発展したウェセックス,南部のサセックス(以上サクソン族が建国),東部のイースト・アングリア,中部のマーシア,北部のノーサンブリア(以上アングル族が建国)の7国をいう。これら諸国は先住のブリトン人と戦って征服をすすめる一方,相互の間でも覇権をめぐって抗争し,6世紀末にはエゼルベルフト(エセルバート)王(在位560‐616)治下のケントが有力になった。…

※「サセックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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