サラワク(英語表記)Sarawak

翻訳|Sarawak

精選版 日本国語大辞典 「サラワク」の意味・読み・例文・類語

サラワク

  1. ( Sarawak ) マレーシア東部、ボルネオ島北西部の州。州都クチン。一九世紀前半までブルネイ王国領。一八八八年イギリス保護国、一九四六年イギリスの直轄植民地となり、六三年マレーシア連邦に編入された。

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改訂新版 世界大百科事典 「サラワク」の意味・わかりやすい解説

サラワク[州]
Sarawak

マレーシア東部,ボルネオ島北西部にある州。面積約12万km2,人口207万(2000)。州都はクチン。住民はイバン(海ダヤク)族(31%),華人(30%)が主体で,マレー人は18%程度,インド人はマレー半島諸州に比べきわめて少ない。地形はラジャン川の沖積平野を除き全般に丘陵と山地が多く,大河川の低湿地はマングローブ林や湿地性森林,山地は厚い雨林に覆われている。クチンと主要都市シブ,ミリを結ぶ道路建設が進められているが,なお陸上交通は不便であり,各都市間の一般的な交通手段は小型船と航空機である。陸続きのインドネシア(カリマンタン)との交易はほとんどなく,クチンよりポンティアナへ週1便の小型機が飛ぶほかは,旅客・物資を直接運ぶ路線はない。海岸線が単調なため港湾はすべて河川に設けられ,そこを基点に川沿いに集落が内陸へと延びていった。州内最大の産業の林業も河川を交通路として奥地を開発しつつ発展した。下流河口の製材所で加工された原木はおもに日本へ輸出される。木材に次いで重要な輸出品は,海底油田の開発で再び活気を取り戻したミリの石油と天然ガスである。その生産は今日もシェル石油が掌握している。このほか州政府が外貨獲得のために力を注ぐものにアブラヤシ,コショウ,カカオがあり,いぜん第1次産品に経済を依存するが,クチンに加工貿易地区を設定し,小規模ながら近代工業の育成も進められている。かつて白人の王侯イギリス人ブルックJames Brooke(1803-68)に支配されたこともあるサラワクは,1963年マレーシア連邦結成に参加して以来,ようやく豊かな資源を活用できる段階にはいった。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「サラワク」の解説

サラワク
Sarawak

ボルネオ北西部に位置するマレーシアの州。19世紀中頃まではブルネイ王国の支配下にあったが,1841年イギリス人ジェームズ・ブルックがこの地にサラワク王国を建設した。サラワク王国は,88年にイギリスの保護国になり,また1946年以降はその直轄植民地とされたのち,63年マレーシア領として独立した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「サラワク」の解説

サラワク

マレーシア連邦

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世界大百科事典(旧版)内のサラワクの言及

【ブルック】より

…のち会社を辞し,父の遺産で購入したローヤリスト号で1838年にシンガポールに向かった。ここで海峡植民地知事より,ボルネオのブルネイ王国の支配下にあるサラワクのクチンに赴き,難破したイギリス船の生存者を引き取ることを求められ,クチンを訪れた。40年に再びクチンを訪れ,同地の支配者を助けて反乱を鎮圧し,40年支配者に迫ってみずからサラワクの領主となった。…

【マレーシア】より

サバ州は山がちで北西部に最高峰キナバル山(4101m)がそびえ,東海岸は水深の大きい湾入が多い。サラワク州は大部分の土地が標高300m以下,国内最大の河川ラジャン川流域には広大な低湿地が広がる。陸路の開発が遅れているサラワク州では,河川はとくに重要な交通路であり,内陸の主要集落はすべて河川沿いに成立している。…

※「サラワク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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