サービス貿易(読み)サービスボウエキ

デジタル大辞泉 「サービス貿易」の意味・読み・例文・類語

サービス‐ぼうえき【サービス貿易】

《transaction of serviceから》金融運輸建設・情報通信といったサービス業の国際取引。

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百科事典マイペディア 「サービス貿易」の意味・わかりやすい解説

サービス貿易【サービスぼうえき】

貿易に対するもので,一般に貿易外取引から投資収益を差し引いたものをさす。例えば運輸,情報通信,金融,旅行,建設,コンサルタントなどサービス業の国際取引をいう。1980年代以降,世界貿易の中でサービス貿易が財貿易を上回ったことで注目されているが,サービスは各国の文化,習慣と密接につながるところから,規制も多く協議が続けられている。1995年,WTO世界貿易機関協定の一つとして〈サービス貿易に関する一般協定〉(GATS)が発効。WTOはサービス貿易理事会を設け,金融,海運,基本電気通信を除くサービスにかかわる150以上の業種を対象に,サービス貿易の自由化について検討を加えている。
→関連項目貿易

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知恵蔵 「サービス貿易」の解説

サービス貿易

従来、運輸、通信、海上保険、金融などの分野では、モノの貿易と関連して、ある国のサービスを他の国が利用するという形でサービス貿易が行われていたが、近年では、移動させにくいサービスを相手国内で営業する形で提供することも多い。弁護士、会計士、保険、証券などの海外進出がその例である。米国ではこのサービス貿易についての自由化、内国民待遇供与などを強く提唱している。生産と結びついた技術提供、コンサルティングなどは、それによって生産されたモノと不可分の形をとるし、労働力の移動もサービス貿易に含めるべきとの主張もあり、サービスの多様性と相まって今なおサービス貿易の定義は固まっていない。その概念を明確にするため、WTOのサービス協定(GATS:General Agreement on Trade in Services)では、金融、海運、基本電気通信を除くサービスにかかわる150以上の業種を対象に、最恵国待遇、内国民待遇の原則が明示された。WTOによれば2005年の世界のサービス貿易額は2兆4150億ドルで、商品貿易の約4分の1の規模

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サービス貿易」の意味・わかりやすい解説

サービス貿易
サービスぼうえき
service trade

モノ以外の目に見えないサービスの貿易。国際収支統計上では,貿易外収支に含まれる。一般にサービス産業の生産物は貿易の対象にならないことが多いと考えられているが,金融,運輸,旅行,建設,情報通信など貿易の対象となるものは多い。サービス貿易は,世界的なサービス化・ボーダーレス化の流れの中でかなり拡大しつつある。各国間の外国企業の参入規制の問題がまだ相当残されている。このため,ガットのウルグアイ・ラウンドではアメリカなど先進国の提案でサービス貿易の交渉グループがつくられ,ルールづくりについての検討が進められた。

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世界大百科事典(旧版)内のサービス貿易の言及

【貿易】より

…一般に国と国との間の商業取引をいう。ふつう商品の輸出および輸入からなるが,最近は運輸・旅客サービスだけでなく,電気通信サービス,金融・保険サービスや技術・情報サービス等も国境を越えて取引されるようになり,こうしたサービス貿易が注目されてきている。 もっとも国の概念が成立する前から,中国や地中海の文明圏を中心に,各地域の特産品を交換し合う交易は始まっていた。…

※「サービス貿易」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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