シンセサイザー(英語表記)synthesizer

翻訳|synthesizer

デジタル大辞泉 「シンセサイザー」の意味・読み・例文・類語

シンセサイザー(synthesizer)

電子回路を用いた音の合成装置。種々の音を合成することができ、多く鍵盤を備えた楽器として使用される。

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精選版 日本国語大辞典 「シンセサイザー」の意味・読み・例文・類語

シンセサイザー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] synthesizer 「統合、合成するもの」の意 ) 電子回路を用いた音の合成装置。多く、鍵盤を備えた楽器として使用される。〔マイ・コンピュータ入門(1977)〕
    1. [初出の実例]「当世風にエレキサウンドやシンセサイザーにしなかったところが大手柄だ」(出典:吉里吉里人(1981)〈井上ひさし〉終章)

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改訂新版 世界大百科事典 「シンセサイザー」の意味・わかりやすい解説

シンセサイザー
synthesizer

ミュージック・シンセサイザーmusic synthesizerの略。いろいろな音を奏者の意図に応じて合成できる回路網をもち,音楽の演奏ができる特殊な電子楽器。ステージでの生演奏に向くポータブルのものから,スタジオに設置して複雑な手法で用いるものまで多種多様のものがある。機能に特定の限定が設定されているものではないが,最小構成機能としては電圧制御発振器VCO),電圧制御フィルター(VCF),電圧制御増幅器(VCA),エンベロープ電圧発生器(Env),音階電圧発生器があげられる。音階電圧発生器にはオルガン風の鍵盤が最も普及しているが,ギターのような指板を用いるものやコンピューターにプログラムを入力して用いるものなどもある。従来の電子オルガンと違う点は音の成長・減衰の変化を奏者が自由に制御できる点である。これはVCO,VCF,VCAのそれぞれを時間的に変動する条件で制御できるためで,多様な音の合成が可能となっている。大型のものはそれらの基本的な機能回路を数多く備えており,多次元の制御が可能である。ミュージック・シンセサイザーの名は1950年代にアメリカのオルセンHarry OlsenらがRCAビクターの研究室で開発した穿孔紙テープ制御式合成装置(真空管式)に命名したのに始まる。64年アメリカのモーグRobert Moog(1934-2005)はトランジスターを用いた電圧制御式の機能回路を有機的に構成することに着眼し,大量に市販できる装置を開発した。68年にカーロスWalter Carlosがこれを用いてバッハの音楽を合成したLPレコードは新しい音の世界の到来を示し注目された。続いて日本の冨田勲(1932- )がドビュッシーの曲による合成音楽を作り,シンセサイザーの音は急速に世に広まった。最近では集積回路出現により装置の改良とコストダウンが進み,小型化,機能の複雑化が見られる。電子オルガンにもシンセサイザーの基本回路が取り入れられるなど他楽器への影響も大きい。
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百科事典マイペディア 「シンセサイザー」の意味・わかりやすい解説

シンセサイザー

電子回路における発振音波を複雑に変形,合成する電気楽器。ミュージック・シンセサイザーの略。音階,音色などの回路選択を行う前面パネルと,音階に対する音程選択を行う鍵盤とからなる。集積回路IC)の開発を契機に,1968年米国のR.モーグによって実用化された。その後作曲編曲に活用され,現在ではライブ演奏にも用いられている。
→関連項目ズーク電子音楽MIDIンドゥール

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音楽用語ダス 「シンセサイザー」の解説

シンセサイザー[synthesizer]

電気的に音を合成する装置。鍵盤のついているものとついていないものがあり、後者は音源モジュール(トーン・ジェネレーター)と呼ばれる。最初に登場したシンセサイザーはモノフォニック(単音)であったが、その後、和音演奏が可能なポリフォニック・シンセサイザーが登場した。音源方式も初期のアナログ方式からFMなどのデジタル方式が主流となり、その後、サンプリング音源を搭載したものなど、さまざまな機種が登場している。

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世界大百科事典(旧版)内のシンセサイザーの言及

【電気楽器】より

…〈テレミン〉(1920),〈オンド・マルトノ〉(1928)が古い。パイプ・オルガンを見本として出発し,現在ではまったく独自の楽器となって急速に普及している電子オルガンの類や,多様な音が自由に合成できるように種々の機能回路を網羅したミュージック・シンセサイザー(シンセサイザー)の類があげられる。(4)自動楽器に応用しているもの。…

※「シンセサイザー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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