シンドラー社エレベーター死亡事故(読み)しんどらーしゃえれべーたーしぼうじこ

知恵蔵 の解説

シンドラー社エレベーター死亡事故

2006年6月3日夜、東京都港区の23階建て公共住宅の12階で、この階に住む都立高校2年の男子生徒(当時16)が自転車にまたがってエレベーターから降りようとしたところ、突然上昇を始めたエレベーターの床と12階の天井に挟まれ、窒息死した。エレベーターの製造元は、スイス本部を置く「シンドラーホールディング」の日本法人「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)で、警視庁は7日、業務上過失致死容疑で同社などを家宅捜索した。この公共住宅では、エレベーターが正しい位置に止まらなかったり、乗った人が閉じこめられたりするトラブルが頻発していた。死亡事故の前後にも、各地で同社製のエレベーターをめぐるトラブルが起きていることが判明国土交通省が全国調査したところ、7月7日にまとめた中間状況で、都道府県から報告のあった3525基のうち29基が、建築基準法に基づく関係自治体の審査で「否」と判定された。定員オーバーでもブザーが鳴らなかったり、停電時に最寄りの階までかごを動かす装置がうまく作動しない、などだった。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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