タイソン(西山)党革命(読み)タイソンとうかくめい

百科事典マイペディア 「タイソン(西山)党革命」の意味・わかりやすい解説

タイソン(西山)党革命【タイソンとうかくめい】

ベトナム,18世紀末の大規模な反政府農民運動。日本では〈タイソン党の乱〉と呼ばれた。レ(黎)朝末期1771年に南部ビンディンタイソン西山)邑でグエン・バン・ニャク(阮文岳),ルー(侶),フエ(恵)の3兄弟がフエのグエン(阮)氏のクアンナム(広南)朝に対して起こした反乱は,ビンディン,クアンナム地方に広がった。当時王室は衰え,北にチン(鄭)氏,南にグエン(阮)氏の2権臣が対立していた。乱はこれに乗じて拡大,ハノイのチン氏は機に乗じてフエを陥落させ,1786年グエン・フエはハノイのチン氏を滅ぼした。次いで1787年にはニャクは兄弟で領土を3分し自らは中央皇帝を称した。内紛に乗じて清の乾隆帝が派遣した干渉軍を1789年グエン・フエは完敗させ,安南国王に封じられ,レ朝はここに滅びた。1802年フランスの援助を受けた南部のグエン・フック・アイン(阮福映,ザロン帝)によってフエ,ハノイは陥落,全土が統一された。
→関連項目グエン(阮)朝ダイベト(大越)ベトナム

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