レ(黎)朝(読み)レちょう

百科事典マイペディア 「レ(黎)朝」の意味・わかりやすい解説

レ(黎)朝【レちょう】

ベトナム王朝。前後があり,一般にはレ朝とは後レ朝をさす。前レ朝はレ・ホアン(黎桓(れいかん))が開いたが短期間(980年―1009年)で滅びた。後レ朝は,明の支配を打ち破ったレ・ロイ(黎利)が1428年開き,都をハノイ(東京)に,国号をダイベト大越)とした。第4代レ・タイントン黎聖宗)のころを最盛期とし約1世紀間栄えたが,1527年権臣マク・ダン・ズン(莫登庸)に奪われた。1532年グエン・キム(阮淦)がチャントン(荘宗)を奉じレ朝を回復したが,その後はグエン・キムの勢力を継いだチン(鄭)氏とマク氏との間の対立が続いた。チン氏は1592年にハノイを奪還したが,フエを拠点とするグエン氏(クアンナム(広南)朝)との戦いが1627年―1672年に及んだ。クアンナム朝では,1783年タイソン党革命が起き,チン氏はこれを利用してグエン氏を滅ぼしたが,1786年には反乱軍のグエン・フエにハノイを落とされ,清朝が介入してレ朝は1789年に滅びた。
→関連項目ザロンダイベト(大越)ハノイベトナム

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