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自動車実用化の父と呼ばれるドイツの機械技術者。銃床工として修業した後,蒸気機関製作所で働く。続いてシュトゥットガルト総合技術学校に学んだ後,小型の低出力機関の研究のためイギリスおよびフランスに渡った。帰国後ブルーダハウス機関工場,カールスルーエ機械製作所などを経て,1872年W.マイバハとともにN.A.オットーとE.ランゲンのドイツ・ガス原動機製作会社に入る。10年後マイバハとエンジン試験工場をカンシュタットに設立,高速回転内燃機関の研究を始めた。83年熱管点火の高速ガソリンエンジンの特許を得,85年表面気化器と密閉型クランク室によるオイル潤滑方式の縦型単シリンダーエンジンおよび冷却装置を,さらに89年にはV型エンジンなどを完成し,今日の自動車用ガソリンエンジンの原型を完成させるとともに,ガソリンエンジンを二輪車(1885)や四輪車(1886)に搭載,ガソリン自動車の実用化にも成功した。90年にはダイムラー社を設立。
執筆者:木本 忠昭
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1834~1900
ドイツの技術者で,初めガス機関の発明者オットーの協力者。1883年軽量のガソリン機関を発明し,1890年シュトゥットガルト近郊にダイムラー自動車会社を設立,これがダイムラー・ベンツ社に発展する。
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出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…なお,〈道路交通法〉ではエンジンの排気量51cc以上のものを自動二輪車,50cc以下のものを原動機付自転車と呼んで区別している。 1885年ドイツのG.ダイムラーが,ガソリンエンジンをサドルの下に取り付け,ベルトにより後輪を駆動させる二輪車を製作したのがオートバイの始まりである。欧米諸国では主として走行を楽しむスポーツ用として発展を遂げ,第1次および第2次世界大戦中はその機動力を生かし,伝令・斥候用,先導用として単体あるいは側車(サイドカー)をつけて多用された。…
…N.A.オットーも1876年4サイクル火花点火式のガス機関を製作しているが,毎分回転数が200回程度で,馬力当りの重量も数百kgと重いものであり,燃料もガスであるため定置用に限られていた。83年G.ダイムラーは高速化により軽量化した小型4サイクルガソリンエンジンをつくり,85年二輪車を,86年四輪車を走らせた。混合気の点火は熱した管によって行い,また気化器にはガソリン液柱の底から空気を通して気化する方式を採用していたが,このダイムラーのガソリンエンジンが実用的なガソリンエンジンの最初といえる。…
…
[技術開発の時代]
内燃機関の理論を確立したN.A.オットーは,1876年に可燃性ガスを燃料とする火花点火のガス機関を改良し,ピストンとクランクを組み合わせた4サイクル作動方式の内燃機関の実用化に成功した。ドイツのG.ダイムラーは,このオットーの機関をさらに改良して,ついに実用に耐えうるガソリンエンジンをつくり,85年にガソリンエンジン二輪車を完成,また同年ドイツのC.ベンツもガソリンエンジン三輪車を完成し翌年に公開試運転を行っている。これらが今日の自動車の原型である。…
…これが4サイクルエンジンの最初のもので,ガス交換用および火炎点火用すべり弁はかさ歯車を介してクランク軸の1/2の回転数で駆動された。G.ダイムラーは高速化により軽量化でき,交通機械の駆動に応用できるという点に着目し,83年に最初の高速小型4サイクルガソリンエンジンをつくり,85年に二輪車を,86年四輪車を走らせ,今日の内燃自動車の基礎を築いた。このほか,容積形内燃機関で円滑な円運動を実現する試みは数多くあるが,現在実用になっているのはF.ワンケルにより発明された火花点火式のロータリーエンジンのみである。…
※「ダイムラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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