チオ酸(読み)チオサン

化学辞典 第2版 「チオ酸」の解説

チオ酸
チオサン
thio acid

オキソ酸のOをSで置換したもの.たとえば,H2SO4はチオ硫酸H2S2O3,HOCNはチオシアン酸HSCNなど.ただし,SがH2SO4 = [SO4(OH)2]のどのOを置換したか区別する必要があるときは,=Oを置換した[SO(OH)2S]はスルフロチオO-酸(sulfurothioic O-acid),OHのOを置換した[SO2(OH)(SH)]はスルフロチオS-酸(sulfurothioic S-acid)とする(特性基置換命名法).【カルボン酸のOをSで置換したもの.たとえば,C5H11CS2Hはヘキサンジチオ酸,C5H11COSHはヘキサンチオ酸とする.後者で置換したO原子の区別が必要な場合では,C5H11C=S(OH)はヘキサンチオO-酸,C5H11C=O(SH)はヘキサンチオS-酸とする.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のチオ酸の言及

【酸・塩基】より

…たとえば,硝酸HNO3,過塩素酸HClO4,硫酸H2SO4,炭酸H2CO3,リン酸H3PO4などである。オキソ酸を基本として,中心原子にO2-のかわりにO22-の配位したものはペルオキソ酸,S2-ではチオ酸,F,Cl,Br,I,ではフルオロ酸,クロロ酸など,まとめてハロゲノ酸といっている。たとえば,ペルオキソ二硫酸H2S2O8,チオ硫酸H2S2O3,トリチオ炭酸H2CS3,ヘキサフルオロケイ酸H2SiF6,ヘキサクロロ白金(IV)酸H2PtCl6,ヘキサシアノ鉄(II)酸H4Fe(CN)6などである。…

※「チオ酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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