チャーシュー(読み)ちゃーしゅー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャーシュー」の意味・わかりやすい解説

チャーシュー
ちゃーしゅー / 叉焼

中国料理の一つ。中国ではチャーシャオといい、日本では焼き豚という。大切り豚肉に大形の叉子(チャーツ)(フォーク状の肉さし)を刺して、特別づくりの炉で焼くのでこの名がある。一般家庭ではこの方法は困難なので、次の方法でつくるとよい。豚ロースまたは三枚肉を700グラムくらいの大切りにして、ニンニクショウガのおろしたものを肉のところどころに詰め込み、脂身のところはなるべく中にしてローストビーフをつくるときのような形に細い麻紐(あさひも)で縛る。酒を加えたしょうゆの中に30分浸して、金串(かなぐし)を通し、天板の底に直接肉が触れないようにしてオーブンで焼く。2~3回つけ汁をつけながら、十分肉の中に火を通し焼き上げる。

 他の作り方は、薬味を詰めた肉を5センチメートル角の棒状に切り、酒入りしょうゆに30分浸し、汁を切って、一切れずつ鉄鍋(なべ)に少量の油をひいて、肉全体に焦げ目をつける。煮込み鍋に全部の肉とつけじょうゆを入れ、ひたひたに水を加えて30分間くらい、汁がなくなるまで蓋(ふた)をして煮る。終わりに少量の砂糖を入れて蓋をとり、つやをつける。この際、食紅をすこし入れてもよい。本来食紅は、ハエ付着を防ぐために使ったので、現今は紅を用いなくてもよい。チャーシューは薄く切って前菜(チエンツァイ)としてもっとも多く用いられるが、湯麺(タンミエン)、チャーハンなど他の料理にも利用される。日本ではできあがったチャーシューを、肉店で売っている。

[野村万千代]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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