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出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
西ヨーロッパやメキシコ湾岸の上部白亜紀層に特徴的にみられる微細な石灰粒からなる白色未固結の堆積岩で,ドーバー海峡に面する海崖に典型的に発達する。チョークは以前には無機的な炭酸石灰の沈殿物と考えられていたが,電子顕微鏡の発達により,これが主として浮遊性藻類であるコッコリトフォリーダの遺骸(コッコリス)から形成されていることが明らかとなった。しばしばフリントの団塊を含み,場所によってはアンモナイト,ベレムナイト,二枚貝,ウニなどの化石を含む。一般に方解石からなる貝殻はよく保存されているが,アラゴナイトの殻は溶け去っている場合が多い。陸地からの砂泥の供給がほとんどない浅海で堆積したと考えられる。日本にはヨーロッパやアメリカのチョークと同時期の地層は広く分布しているが,チョークと呼べる岩石はない。チョークは白亜とも呼ばれ,白亜紀Cretaceousの名称はチョークのラテン語cretaに由来する。昔は石板や黒板に字を書くのに用いられたが,現在チョークと称して同様に用いられている白墨は焼セッコウを水で練り成型したものなどである。
執筆者:速水 格+徳岡 隆夫
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