ツガルウニ(読み)つがるうに

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツガルウニ」の意味・わかりやすい解説

ツガルウニ
つがるうに / 津軽海胆
[学] Glyptocidaris crenularis

棘皮(きょくひ)動物門ウニ綱ホンウニモドキ科に属する海産動物。小石混じりの浅海底に産する淡褐色の中形ウニ。殻径5~7センチメートル、棘長3センチメートルぐらい。棘(とげ)の付け根部分が目だった暗赤色を呈する。普通、食用にはしない。産卵期は早春。北海道沿岸と東北地方、中国北部、黄海方面の浅海に分布する。本種は系統的に古いグループに属し、近縁の化石種は多いが、現生のものは1属1種のみが知られる。口器の上生骨対が接着しないことと、棘基部に襟(えり)部があることが著しい特徴である。

[重井陸夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツガルウニ」の意味・わかりやすい解説

ツガルウニ
Glyptocidaris crenularis

棘皮動物門ウニ綱稜歯目フィモゾマ科。殻径 2.5~8cm。殻が低いのが特徴で,殻高は殻径の半分程度。殻は橙黄色で,殻表にあずき色のいぼが並ぶ。大棘は淡褐色で,先はとがらない。産卵期は2~4月。水深 10~160mぐらいの海底に生息する。犬吠埼以北の太平洋沿岸,日本海に分布する。通常食用とはしない。

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