ナンテン(南天)
ナンテン
Nandina domestica
メギ科の常緑低木。インドおよび中国の原産。日本では栽培されたものが広がり中部以南の山野に自生する。高さ 2mぐらいでほとんど分枝せず,葉は茎先に集ってつく。大型で3回羽状複葉となり,小葉は披針形ないし細めの楕円形で長さ3~7cmある。6月頃,茎頂に円錐花序を直立し,白色6弁の星形の小花を多数つける。晩秋に球形の果実が赤く熟し,紅葉も美しいので観賞用として庭木,鉢植にされる。園芸品としては実の白いシロナンテン,淡紫色のフジナンテンなどがあり,ほかに小葉が密生し切り花によいササバナンテンなどもあるが,種としては1属1種で,ときにはメギ科から独立してナンテン科とされることもある。果実を干して鎮咳剤として用いる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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「ナンテン(南天)」の意味・わかりやすい解説
ナンテン(南天)【ナンテン】
中国と日本中部以西に分布するメギ科の常緑低木。日本のものは自生かどうかはっきりしない。庭木,切花,鉢植にされる。茎は群出し,高さ2m内外に直立する。葉は3回羽状複葉で,小葉は狭卵〜披針形。6月,枝の先に円錐花序をつけ,径6〜7mmの白色花を多数開く。秋〜冬,球形の液果が鮮赤色に熟して美しい。果実が白色のシロミナンテンや,淡紫色のフジナンテン,葉変り品のキンシナンテンなど園芸品種が多い。果実はドメスティンなどのアルカロイドを含み,鎮咳などに用いられる。
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