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ニヒリズム 【ニヒリズム】
4件の用語解説(ニヒリズムで検索)
世界大百科事典 第2版の解説-
ニヒリズム【nihilism】
ラテン語のニヒルnihil(虚無)に基づく造語。あらゆる既成の宗教的・道徳的・政治的権威や既成の社会的秩序とそのイデオロギーに対する無条件的な否定の立場を表し,虚無主義と訳される。この語が哲学用語として比較的重要な意味で最初に使用された場合の一つとして認められているのは,1799年にF.H.ヤコビがフィヒテにあてた公開書簡の場合であり,そこではフィヒテの観念論がニヒリズムとして非難されている。一説によれば,弁証法を神学の対象にも適用したアベラールの説を継承した12世紀の神学者たちの一派のいわゆるニヒリアニズムnihilianism,すなわちキリストの人間性は偶有性にすぎず,キリストは人間としてはニヒルであるという中世キリスト論が,当時のヤコビたちに影響を与えていたといわれる。 -
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百科事典マイペディアの解説-
ニヒリズム【】
〈虚無主義〉。語源は〈無・虚無〉を意味するラテン語nihil。一切の既成の価値・秩序・権威を否定する立場。この語の使用はF.ヤコビ(1799年)に始まり,バーダー(1826年)によって信仰と知性の分裂をもたらした反教会的危険思想の意で用いられ,さらにツルゲーネフが《父の子》(1862年)の中で主人公をニヒリストと呼んで以来一般化し,ニヒリズムは1860年代から1970年代にかけて,ロシアの急進的革命思想として盛行した。
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デジタル大辞泉の解説-
ニヒリズム 【nihilism】
虚無主義。
1 すべての事象の根底に虚無を見いだし、何物も真に存在せず、また認識もできないとする立場。
2 既存の価値体系や権威をすべて否定する思想や態度。ツルゲーネフ・ニーチェ・カミュなどに代表される。
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監修:松村明
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大辞林 第三版の解説-
ニヒリズム【nihilism】
真理・価値・超越的なものの実在やその既成の様態をことごとく否定する思想的立場。①一般に無や空を主張する思想態度。仏教・老荘思想をはじめとして古来から多くの形態がみられる。②特にヨーロッパ近代社会やキリスト教文明の根底に対する否認の思想。一九世紀後半のロシアの文学思潮・革命思想,ニーチェの哲学などに顕著。虚無主義。
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世界大百科事典内のニヒリズムの言及-
【永劫回帰】より
…ニーチェはヨーロッパが依拠してきたいっさいのものを――主体や意識や理性という概念も,科学や宗教や民主主義も――生の実相から離れた虚偽であると看破した。これらの背後にあるプラトン主義やキリスト教も実はニヒリズムの発現でしかないとする彼にとって,唯一の実在は,生成の全体としての自然であり,生の唯一の原理は〈力への意志〉となる。近代的な理性の歴史とその進歩信仰は単なる幕間劇としてその意義を失い,存在の全体の根本性格は無限の時間の中での有限な〈力への意志〉の戯れ,つまり永劫回帰であると彼は言う。… -
【神の死】より
…ニーチェの用語。〈神は死んだ〉と説いたニーチェにとって,神の死とは単にキリスト教の超克ではなく,ニヒリズムの宣言でもあった。ニーチェによると生の本質は〈力への意志〉であり,力への意志はみずからを維持するために必要な世界解釈を行う。… -
【ニーチェ】より
…いずれもアフォリズム集である。《曙光》では特に権力感情の分析が展開され,ヨーロッパ的価値観の底に潜むニヒリズムと〈力への意志〉という後期の問題関連の萌芽が認められる。《華やぐ知慧》には批判的解体に伴うペシミズムから新たな晴朗さへの回復がはっきりと認められる。… -
【ハイデッガー】より
…それも人類の歴史の重要な転換期ごとに存在・真理・世界がそのつど別な現象の系列として出現するというだけではなく,それらがきわめて早期からそれぞれの人間的意味を減衰させ,ついには存在と世界の喪失へむかって滔々と流れていくという含みを帯びてくる。すなわち後期ハイデッガーの思想は,その先端において〈ヨーロッパのニヒリズム〉との,ニーチェのそれとはまったく異なる対決へと呼び立てられるのである。この世界はギリシア人のいうコスモスでも,キリスト教徒の信じる摂理の舞台でもなく,もはやいかなる体系化も意味づけをも不可能にする渾沌,無へと突きすすんでいく過程そのものにほかならない。… - ※「ニヒリズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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