ネオン(読み)ねおん(英語表記)neon

翻訳|neon

デジタル大辞泉 「ネオン」の意味・読み・例文・類語

ネオン(neon)

希ガス元素の一。単体は液化空気の分留によって得られる、無色無臭の不活性気体。空気中にわずかに存在し、低圧放電により赤色の輝線スペクトルを発する。ネオンサインなどに利用。元素記号Ne 原子番号10。原子量20.18。
ネオンサイン」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「ネオン」の意味・読み・例文・類語

ネオン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] neon )
  2. 希ガス元素の一つ。元素記号 Ne 原子番号一〇。原子量二〇・一七九七。無色無臭の気体。大気中にわずかに存在する。液体空気を低温で蒸発してヘリウムとの混合気体とし、これから分離してつくる。一八九八年、イギリスのW=ラムゼーとM=W=トラバーズが発見。化学的に不活性。赤色部分に著しい輝線スペクトルを示す。放電管・ネオンサインなどの封入ガスに用いられる。〔英和和英地学字彙(1914)〕
  3. ネオンサイン」の略。
    1. [初出の実例]「光の死骸めいたネオンだけは、夜霧に濡れると反って生きた色になる」(出典:虹(1934‐36)〈川端康成〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネオン」の意味・わかりやすい解説

ネオン
ねおん
neon

周期表第18族に属し、希ガス元素(貴ガス元素)の一つ。原子番号10、元素記号Ne。1898年イギリスのW・ラムゼーらが液体空気の分留の過程でクリプトンに続いて発見し、新しい気体元素の意から、ギリシア語で「新しい」を意味するネオンneonに由来して命名した。乾燥大気中には容量で約1.8ppm含まれている。希ガス元素中ではヘリウムに次いで沸点融点が低く、空気液化後の残存気体から加圧冷却、吸着などの操作によって精製される。

 低圧気体での放電によって赤色の輝線スペクトルを発し、他の希ガス気体あるいは水銀蒸気などとの混合気体での放電によってさまざまな色調の発光を示す。ネオンサイン、放電管、溶接保護ガスなどに利用される。

[岩本振武]



ネオン(データノート)
ねおんでーたのーと

ネオン
 元素記号  Ne
 原子番号  10
 原子量   20.1797
 融点    -248.67℃
 沸点    -246.048℃
 密度    気体 0.9002g/dm3(0℃,1気圧)
 比重    液体 1.207(-246℃)
 結晶系   固体 立方
 溶解度   1.47mL/100mL(水20℃)
 臨界温度  -228.7℃
 臨界圧   28.86気圧
 元素存在度 宇宙 2.36×106(第6位)
          (Si106個当りの原子数)
       海水 0.12μg/dm3

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化学辞典 第2版 「ネオン」の解説

ネオン
ネオン
neon

Ne.原子番号10の元素.電子配置[He]2s22p6の周期表18族希ガス元素の一つ.原子量20.1797(6).質量数20(90.48(3)%),21(0.27(1)%),22(9.25(3)%)の3種の安定同位体と,質量数16~32,34の放射性同位体が知られている.1898年にW. Ramsay(ラムゼー)とM.W. Traversにより,液体空気中に発見され,ギリシア語の“新しい”を意味するνεο(neos)から命名された.大気中に65000:1の割合で微量存在し,液体空気の分留により得られる.無色,無臭の気体.融点24.48 K,沸点27.10 K.臨界定数44.49 K,2.6786 MPa,0.48192 g mL-1.液体の密度1.2070 g cm-3(沸点).蒸発熱(沸点)1.7326 kJ mol-1.第一イオン化エネルギー21.564 eV.化学的には不活性である.普通の意味の化合物はフッ化物を含め,まだ確認されていない.理論的にも存在は疑問視されている.低圧放電により赤橙色に強く光るので,ネオンサイン用にもっとも多く用いられる.そのほか,指示灯,電子管用充填ガス,冷媒などとして用いられる.[CAS 7440-01-9]

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改訂新版 世界大百科事典 「ネオン」の意味・わかりやすい解説

ネオン
neon

周期表第0族に属する希ガス元素の一つ。1898年6月,イギリスのW.ラムゼーが周期表中のヘリウムとアルゴンの間にあると考えられる元素を探し,空気を分留して得たアルゴンからさらに分留を繰り返して予想どおりの気体元素を発見した。ラムゼーはこの物質をスペクトルによって確認したが,その放電管が美しい真紅色に輝くのを見たラムゼーの息子の提案によってギリシア語のneos(新しい)にちなんで命名した。大気中には体積で0.00182%含まれる。無色,無臭の気体で,単原子分子からなり,化学的にきわめて不活性で,他の元素と反応しない。低圧放電により赤色の輝線スペクトルを示す。空気を液化すると,窒素70%,ネオン23%,ヘリウム7%が液化せずに凝縮器に残るが,この組成の気体を加圧し窒素を液化して除き,残ったネオンとヘリウムを液化して分留する。放電管,ネオンサイン,高圧指示灯,電球などに封入する。
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百科事典マイペディア 「ネオン」の意味・わかりやすい解説

ネオン

元素記号はNe。原子番号10,原子量20.1797。融点−248.67℃,沸点−246.048℃。希ガス元素の一つ。1898年W.ラムゼーとM.W.トラバースが発見。無色無臭の気体で,空気中に約0.0018容量%含まれる。化学的にきわめて不活性。放電の際強い赤色を発する。ネオンサインなどの封入ガスとして使用。液体空気の分留によってつくる。
→関連項目希ガスネオンサインネオンランプ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネオン」の意味・わかりやすい解説

ネオン
neon

元素記号 Ne ,原子番号 10,原子量 20.1797。周期表 18族,希ガス元素の1つ。大気中に 0.00182%含まれ,液体空気の分留によって得られる。 1898年 W.ラムゼーと M.トラバースの協力により,クリプトン,キセノンとともに発見された。単体は無色,無臭の単原子気体で,沸点-245.9℃,臨界温度-228.7℃,臨界圧 28.86気圧。化学的にきわめて安定。ガイスラー管で容易に放電し,赤色の輝線スペクトルを発するので,ネオン管用に広く使われている。

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デジタル大辞泉プラス 「ネオン」の解説

ネオン

アメリカのクライスラーが1994年から2005年まで製造、販売していた乗用車。4ドアセダン、2ドアクーペ。

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