パパイン

デジタル大辞泉 「パパイン」の意味・読み・例文・類語

パパイン(papain)

パパイヤ果実に含まれる、たんぱく質加水分解する酵素ビール醸造の濁り除去などに用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「パパイン」の意味・読み・例文・類語

パパイン

〘名〙 (papain) パパイアの実の汁の中にある蛋白質分解酵素総称狭義には中に含まれる酵素の一種をさす。蛋白質分解能力が高く、消化剤ほか、ビールのにごりの除去、駆虫剤などに用いる。

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化学辞典 第2版 「パパイン」の解説

パパイン
パパイン
papain

EC 3.4.22.2.プロテアーゼの一種.塩基性アミノ酸ロイシンおよびグリシン残基のC末端側のペプチド結合加水分解する酵素.パパイアの果実から結晶状に得られる.分子量2.3×104.1本のポリペプチド鎖で212個のアミノ酸残基より構成され,そのアミノ酸の配列順序も決定されている.X線回折の研究により立体構造が明らかにされ,アミノ基末端より25,159番目に存在するシステイン,ヒスチジン残基が活性発現に重要であることがわかっている.[CAS 9001-73-4]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パパイン」の意味・わかりやすい解説

パパイン
papain

パパイアの果実乳液から抽出される蛋白質分解酵素の一種で,蛋白質の分析用としてあるいは肉の軟化剤などに用いられる。中性前後でよく作用するが,至適 pHは 5.0。市販の製品は,その 35倍量の赤肉を消化でき,精製品はその 200~300倍量の凝固卵白を消化する。消化は 60~90℃でよく進行するが,一般に 65℃が至適温度。結晶製品も得られているが,粗製品食肉の柔軟化,飲料物の清澄剤などとして用いられる。

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栄養・生化学辞典 「パパイン」の解説

パパイン

 パパイヤの乳液からとるシステインプロテアーゼ.食品工業で使われる.

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世界大百科事典(旧版)内のパパインの言及

【酵素剤】より


[加水分解酵素類の消化薬としての応用]
 この目的にはさまざまの動植物起源,微生物起源のデンプン,タンパク質,脂肪などに対する加水分解酵素が使われる。一般的なものとしては,ウシやブタの膵臓から抽出したパンクレアチン(デンプン,タンパク質消化を主とし,脂肪消化作用ももつ),各種のジアスターゼ類(発芽中のオオムギ,コウジカビなどからのデンプン消化酵素が主体),パパイアの果汁からのパパイン(タンパク質消化酵素)などがよく知られている。また,乳糖不耐性の乳児(小腸に固有の消化酵素であるラクターゼの遺伝的欠損によってミルク中の乳糖が消化されず,下痢を起こしやすい)に対する補充療法剤としてのβ‐ガラクトシダーゼ(ラクターゼと同様に乳糖を消化しうる酵素)もこのカテゴリーに入る酵素剤である。…

【消化薬】より


[消化酵素剤]
 現在多数の製品が市販されているが,これらは次のように大別することができる。(1)動物性消化酵素 ペプシン,パンクレアチンなど,(2)植物性消化酵素 ジアスターゼ,パパインなど,(3)微生物性消化酵素 タカヂアスターゼ(商品名),サナクターゼなど,(4)配合消化酵素剤 各種のタンパク質分解酵素,炭水化物分解酵素,脂肪分解酵素の組合せ,ならびに健胃薬や胆汁酸を配合した製剤。 (1)動物性消化酵素のペプシンは,胃に存在するプロテアーゼで,消化薬としてはウシまたはブタの胃粘膜から抽出したペプシンに乳糖を混合した含糖ペプシンが用いられる。…

※「パパイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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