フォンティン(英語表記)Fonteyn, Dame Margot

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォンティン」の意味・わかりやすい解説

フォンティン
Fonteyn, Dame Margot

[生]1919.5.18. ライギット
[没]1991.2.21. パナマ
イギリスバレリーナ。本名 Margaret Hookham。 1934年サドラーズ・ウェルズ・バレエ団 (のちのロイヤル・バレエ団 ) に参加,35年 A.マルコワのあとをうけて,プリマ・バレリーナになり,マルコワの役をほとんど受継いだほか,F.アシュトンの新作『妖精接吻』に主演。特に 39年『眠れる森の美女』のオーロラ姫で絶賛を博し,以来当り役となる。その後ヨーロッパ各地を巡演して名声を得るとともに,第2次世界大戦中は手薄になったイギリス・バレエ界にあって R.ヘルプマン,M.ソムズと組み,バレエの繁栄に貢献,56年現役バレリーナとして最初のデイムの勲位に叙せられた。さらに 1960年代にはソ連から亡命した R.ヌレエフとパートナーを組み,古典をはじめ M.グラハムが2人のために作った『ルシファー』 (1975) など新作バレエも踊って「奇跡のコンビ」といわれ,世界を魅了した。また,元駐英パナマ大使の R.アリアス博士夫人であり,王立舞踊アカデミー総裁をつとめた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォンティン」の意味・わかりやすい解説

フォンティン
ふぉんてぃん
Dame Margot Fonteyn
(1919―1991)

イギリスのバレリーナ。サリー州ライガットに生まれる。サドラーズ・ウェルズ・バレエ学校卒業後、1934年『くるみ割り人形』でデビュー。サドラーズ・ウェルズ・バレエ団、ロイヤル・バレエ団の花形として多くの古典作品およびF・アシュトンの新作バレエに出演した。55年にロベルト・E・アリアス駐英パナマ大使と結婚、翌年デームに叙せられた。59年以後ゲスト・ダンサーとして世界各地で客演し、64年からはR・ヌレーエフとペアを組むことが多かった。76年引退後はロイヤル・バレエ団の教師、ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンシングの総裁を務めた。主演作品は数多いが、映画になったものに『ロイヤル・バレエ』(1960)などがある。

市川 雅]

『湯河京子訳『マーゴ・フォンテーン自伝――愛と追憶の舞』(1983・文化出版局)』

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