フレイ(北欧神話)(読み)ふれい(英語表記)Freyr

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フレイ(北欧神話)」の意味・わかりやすい解説

フレイ(北欧神話)
ふれい
Freyr

北欧神話の神。ニョルドの子でフレイヤの兄弟。神々のなかの貴公子とされ、アールブヘイムに住む。フレイは1人で戦う剣と、帆を上げればいつも追い風を受け、畳めばポケットに入る船スキーズブラズニル、それに昼も夜も空中や海上をウマよりも速く駆ける黄金の野猪(やちょ)をもつ。初めバニル神族に属したが、父とともに人質としてアサ神族のもとにきた。巨人の娘ゲルズに恋したフレイは、彼の名剣と引き換えに従者スキールニルを派遣し、やっとのことで彼女を手に入れる。そのため世界の終末には、巨人を相手にシカの角(つの)で戦うはめとなる。古くから豊饒(ほうじょう)、結婚、平和の神としてスウェーデン、ノルウェーアイスランドで崇拝されたことは、ウプサラ(スウェーデン)の異教の祭儀ほか多くの証拠が示している。フレイは別名をユングビといい、スウェーデンのユングリング王家の祖とされる。

[谷口幸男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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