フーケ(Nicolas Fouquet (Foucquet))(読み)ふーけ(英語表記)Nicolas Fouquet (Foucquet)

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フーケ(Nicolas Fouquet (Foucquet))
ふーけ
Nicolas Fouquet (Foucquet)
(1615―1680?)

フランスの政治家。父は国王参議官。パリ高等法院官職を取得して昇進。高等法院旧貴族の、マザランに対する反抗契機にほぼ全国に波及したフロンドの乱のとき、マザランの腹心として活動。1653年財務長官となり、徴税請負人を利用して財政を立て直したが、同時に莫大(ばくだい)な資産を築き、豪壮ボーの城館を造営して、ラ・フォンテーヌモリエールなどの芸術家を招いて学芸保護者をてらった。また、大西洋岸のベル・イル島を入手し城塞(じょうさい)を築いたりした。このため、ルイ14世と政敵コルベールに憎まれ、1661年公金横領と王権奪取の陰謀の容疑で逮捕され、裁判ののちピニュロールの獄に終身拘禁された。しかし、それは政略の暗黒裁判によるものとされ、その死没年も正確ではない。

[千葉治男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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