プタハ(英語表記)Ptah

デジタル大辞泉 「プタハ」の意味・読み・例文・類語

プタハ(Ptah)

エジプト神話で、古代エジプトの首都メンフィス主神宇宙創造神で、鍛冶かじ彫刻の神とされ、ギリシャ神話ヘファイストスローマ神話ウルカヌスと同一視された。プター

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「プタハ」の意味・わかりやすい解説

プタハ
Ptah

古代エジプトの神。メンフィスの三柱神(プタハ,セクメトネフェルテム)の主神で,セクメトの夫。ミイラのような衣服を固く身体に巻き付けた男の姿で表される。メンフィス神学によると天地創造神であり,彼の心臓(思考)と舌(言葉)とによって,世界が形成されたとされる。神々とその秩序善悪,芸術などの創造も彼に帰せられ,また,王制守護神セド祭の統轄者でもある。工芸の神として職人の信仰を集め,ギリシア人にはヘファイストスと同一視された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「プタハ」の意味・わかりやすい解説

プタハ

古代エジプトの創造神,技芸の神。ミイラの姿で表現される,王制,メンフィスの守護神でもあり,妻セクメト,息子ネフェルテムとともにメンフィスの三柱神群をなす。ギリシア人は鍛冶神ヘファイストスと同一視した。
→関連項目アピス

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プタハ」の意味・わかりやすい解説

プタハ
ぷたは
Ptah

古代エジプト古王国時代の都メンフィス(今日のサッカラ東方ナイル対岸)の三神(プタハ、セクメト、ネフェルテム)の主神で、フヌム神とともに創造を担当したとされる。そのためこの神は工作造形の神とみなされており、ギリシアのヘファイストス、ローマのウルカヌスと類似している。メンフィス(原語メン・ネフェルト)は別名ハト・カ・プタハ(「プタハの精霊の住まい」)とよばれたが、ここからギリシア語アイギプトス、そして今日のエジプトという呼称が生じた。

[矢島文夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android