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アメリカ・インディアンのポーハタン族長ポーハタンの娘。バージニア植民地建設の指導者の一人ジョン・スミスがポーハタン族に捕らえられたとき助命したといわれるが,真偽は定かでない。タバコ栽培の改良に成功したロルフJohn Rolfeと結婚し,原住民のキリスト教化と植民事業の成功の宣伝のため1616年ロンドンに送られ,〈アメリカの王女〉として上流社交界で歓迎されたが,17年春帰国を前に病死した。ポカホンタス物語は植民地建設の神話となっている。
執筆者:富田 虎男
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アメリカ植民地建設に貢献した女性として神話化された、バージニアの先住民ポーハタンの首長の娘。1608年捕虜として処刑されかかったイギリスの植民地開拓者キャプテン・ジョン・スミスの命を救ったとされるが、真偽のほどは疑わしい。14年にタバコ栽培の改良に成功したジョン・ロルフと結婚し、16年にバージニア会社の植民事業と、先住民のキリスト教化の成功の宣伝のため夫とともにロンドンに送られ、アメリカの「王女」として歓迎されたが、翌17年春、帰国を前に病死した。この結婚がアメリカ・インディアンと白人の間に一時期「ポカホンタスの平和」をもたらしたとされるが、彼女は実は人質の身であり、結婚も政略的な意味合いが濃く、つくりあげられた友好の「神話」とみられる。
[富田虎男]
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1595?~1617
イングランド領北アメリカ植民地と先住民との間の友好樹立に貢献したポウハタン族の族長の娘。1607年,先住民に捕えられたジョン・スミスの命乞いをして彼を助けたとされる。タバコ栽培の導入者ジョン・ロルフと結婚し,16年に渡英するがイングランドで病死。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…イギリス最初の植民地バージニアではキャプテン・ジョン・スミスらははじめから武器をもってポーハタン族を威嚇し,トウモロコシの供出を強制し戦争をしかけた。ポカホンタスとジョン・ロルフの〈結婚の平和〉も,友好というよりは恐怖の均衡であり,1622年のポーハタン族の大蜂起に結果し,以後20年抵抗がやむまで征服戦争がつづいた。ニューイングランドのプリマス植民地の場合も,一方でワムパノアグ族族長マサソイットとは友好関係が結ばれたが,他方で近隣の多くの諸部族とは敵対し,入植2年後の1622年にはプリマス軍はマサチューセッツ族の族長4人を謀殺し,その首を棒に突きさし20年間もプリマス砦の上にさらした。…
※「ポカホンタス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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