ポンタバン派(読み)ぽんたばんは(英語表記)école de Pont-Aven

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポンタバン派」の意味・わかりやすい解説

ポンタバン派
ぽんたばんは
école de Pont-Aven

19世紀末のフランス画派。1888年、ブルターニュ地方の寒村ポンタバンに滞在していたゴーギャンは、印象主義にとってかわる総合主義を確立したが、たまたま居合わせた青年画家たちの共感を得て、短期間ながらポンタバン派とよばれる小グループを形成した。強い輪郭線で仕切られた形態によって感覚的な表現と観念的な内容を総合しようとするもので、翌89年にパリのカフェ・ボルピニで開かれた「印象主義および総合主義グループ」の展覧会は、同派が中心となった。ゴーギャンをはじめエミールベルナール、シャルル・ラバルのほか、のちにナビ派を形成するポール・セリジエなどもメンバーとみなされる。

[染谷 滋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android