マンゴ湖(英語表記)Lake Mungo

改訂新版 世界大百科事典 「マンゴ湖」の意味・わかりやすい解説

マンゴ[湖]
Lake Mungo

オーストラリア東南部にあるウィランドラ湖沼群の中の干上がった湖。かつての湖岸には約4万~3万年前の遺跡が点在し,オーストラリア先住民の祖先人骨がみつかっている。頭骨は,眼窩上隆起が発達し,梨状口(鼻)が広く,歯が大きいなど,オーストラリア先住民に特有の形態を示すが,カウ・スワンプ出土の頭骨に比べると華奢である。四肢骨は細長く,暑熱環境への適応を示す。この地域では,数万年前は,湖には魚が豊富で,草原には大型の有袋類もいた。その後,徐々に乾燥し,狩猟圧も加わって,大型の有袋類は絶滅した。現在では,半砂漠となり,わずかにカンガルーエミューなどが住んでいる。1号女性人骨は火葬され,3号男性人骨は赤いベニガラを撒かれて埋葬されたと報告されている。
カウ・スワンプ
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

ワーキングホリデー

協定締結国の国民に対し,休暇の機会と,その間の滞在費用を補う程度の就労を認める査証(ビザ)を発給する制度。二国間の協定に基づき,国際的視野をもった青少年を育成し,両国間の相互理解と友好関係を促進するこ...

ワーキングホリデーの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android