ミヤマオウム(読み)みやまおうむ

改訂新版 世界大百科事典 「ミヤマオウム」の意味・わかりやすい解説

ミヤマオウム (深山鸚鵡)
kea
Nestor notabilis

オウム目オウム科の鳥。ケアともいう。全長50cm,全体が緑褐色をした大型のオウムで,上くちばしが長くのびていて鋭い。ニュージーランド南島にのみ分布し,高山帯の低木の生えた岩地に群れですむ。ほとんど地上で生活し,花みつ,漿果(しようか),木の芽,球根などのほかに,昆虫類も食べる。繁殖期には,岩の穴や裂け目に1腹4個の卵を産む。ミヤマオウムは唯一の肉食をするオウムとしても有名である。ヒツジの屠殺場近くで捨てられたくず肉などを食べるが,ときには,生きたヒツジの背中に止まり,鋭いくちばしでつついて,ヒツジの脂肪を食べることもある。

 ニュージーランドの南島と北島に分布するカカN.meridionalis(英名kaka)は,ミヤマオウムに近縁で,羽色もよく似ているが,腹部と下尾筒が赤い。森林に群れですみ,漿果や花みつのほかに,くちばしで朽木を掘り,甲虫類の幼虫をとって食べる。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤマオウム」の意味・わかりやすい解説

ミヤマオウム
みやまおうむ

ケアオウム

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のミヤマオウムの言及

【オウム(鸚鵡)】より

… オウム・インコ類は,アフリカ,アジア,オーストラリア,中南米に約320種が分布し,7亜科に分けられている。ミヤマオウム亜科は全長50cmの中型の2種からなり,暗オリーブ褐色の羽色で,くちばしの幅が狭く,上くちばしが長くのび,下方に湾曲している。ミヤマオウム(ケア)(イラスト)とカカがニュージーランドに分布する。…

※「ミヤマオウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android