メチル=tert-ブチルエーテル(読み)メチルブチルエーテル

化学辞典 第2版 の解説

メチル=tert-ブチルエーテル
メチルブチルエーテル
methyl tert-butyl ether

C5H12O(88.15).CH3OC(CH3)3.略称MTBE.t-ブチル=メチル=エーテルともいう.ガソリンの高オクタン価配合剤の一つ.しかし,近年発がん性の疑いから添加量が制限されている.工業的に陽イオン交換樹脂触媒としてB-B留分とメタノールとを液相100 ℃ 以下で反応させて製造される.この工程でB-B留分中のイソブテンのみが選択的に反応し,n-ブテン,ブタジエンは反応しない.無色の液体.沸点55.1 ℃.単味(MTBE自体)のオクタン価(リサーチ法)は115であるが,混合オクタン価は115~136を示し,通常,ガソリンに数% 配合してオクタン価を向上させる.なお,これを陽イオン交換樹脂またはポリリン酸を触媒として分解すると,容易にイソブテンとメタノールが再生され,B-B留分からのイソブテン分離法としても利用できる.[CAS 1634-04-4][別用語参照]オクタン価向上剤

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android