モモタマナ(英語表記)Terminalia catappa L.

改訂新版 世界大百科事典 「モモタマナ」の意味・わかりやすい解説

モモタマナ
Terminalia catappa L.

樹高10~35m,直径60cm~1mになるシクンシ科の半落葉高木。別名コバテイシシマボウ。アジアからポリネシアの熱帯~亜熱帯の海岸に広く分布し,沖縄諸島,小笠原諸島にまで達する。人家周辺や並木としてもよく植えられ,水平に輪生する枝と大きい葉が特徴的である。葉は長さ20~30cmの倒卵形,全縁で,枝先に集まって互生する。落葉前に紅葉する。花は淡黄白色で小型,葉腋(ようえき)に生じた長さ8~16cmの穂状花序の下方には雌花が,また上方には雄花がつく。果実は長さ3~5cmの楕円形の石果,やや扁平で2稜がある。果実が潮流に運ばれて繁殖する。かたい核の中に脂肪分に富んだ緑色の胚があり,アーモンドの風味をもち炒(い)って食べる。材は気乾比重約0.64,灰褐色で,家や舟をつくるのに用いる。モモタマナのモモは桃,タマナはタヒチ語でオトギリソウ科テリハボクを意味するtamanuから来ている。テリハボクもモモタマナ同様に広い分布域をもつ海岸の樹木で,小笠原の米系住民はこれをヒータマナhe-tamana,モモタマナのことをシータマナshe-tamanaと呼ぶ。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モモタマナ」の意味・わかりやすい解説

モモタマナ
ももたまな

コバテイシ

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