知恵蔵2010の解説
唯一の神(ヤハウェ)がユダヤ民族を選んで契約を結び、預言者モーセに教えを啓示したという信仰に基づいて、その教えを生活の中で実践するユダヤ民族の宗教。ユダヤ教の歴史は、紀元前二千年紀カナン(パレスチナ)に移住した民族の祖アブラハムにさかのぼるが、厳密には「ユダヤ教」として認識され始めたのは、キリスト教の登場以降であると考えられる。聖典は「律法・預言書・諸書」の3部からなり、キリスト教で『旧約聖書』と呼ばれているものとほぼ内容的に一致する。また、『ミシュナ』(口伝律法)とその注釈書『ゲマラ』を加えた『タルムード』も重要な信仰のよりどころになっている。さらに、食物についての詳細な規定や安息日(金曜日の日没から土曜日の日没まで)に一切の仕事を禁じるなど厳しい戒律がある。ユダヤ教徒たちは古代に王国が滅亡して以来、1948年のイスラエル建国まで国を持たない民族として世界各地に離散した。そして、その生活習慣やイエス・キリストの処刑に加担したとの考えから、様々な迫害を受けてきた。しかし、93年、カトリックの総本山バチカン市国とイスラエルとの間に国交が樹立され、2000年3月には、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が過去のカトリック教会が犯した過ちを認め、ユダヤ人迫害を容認したことについてざんげした。1990年代後半から、戦後50年を迎えたことや、ホロコースト(ナチスによるユダヤ人虐殺)をテーマにしたドキュメンタリー映画「ショアー」(クロード・ランズマン監督)の公開、「ホロコーストはなかった」と主張する歴史修正主義の登場などを契機に、ユダヤ人の民族意識の高揚がみられる。
(
岩井洋関西国際大学教授
)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2007」
デジタル大辞泉の解説
ユダヤ‐きょう〔‐ケウ〕【ユダヤ教】
唯一絶対の神ヤーウェを信仰するユダヤ人の民族宗教。モーセの律法と神との契約に基づき、選民思想・終末論およびメシアの来臨を信ずることなどが特徴。バビロン捕囚から帰還後の前517年、エルサレム神殿の再建・祭祀(さいし)の確立をもって成立とされる。聖典は旧約聖書。19世紀末以来のシオニズムの精神的支柱。
百科事典マイペディアの解説
古代イスラエルに発祥し,唯一至高の神ヤハウェを奉じる世界最古級の宗教。今日約1500万の信徒を擁し,イスラエル共和国,アメリカ,ロシアなど世界各地に散在する。聖典はいわゆる旧約聖書(この呼称はキリスト教徒によるものであることに注意),ミシュナ,タルムード。
※本文は出典元の用語解説の一部を掲載しています。
このキーワードに関連するサイトを教えてください。
検索結果:152,583件
ウェブ検索
朝日新聞、講談社、小学館など、51辞書、48万語から検索できる、調べ物に欠かせない用語解説サイトです。使い方