改訂新版 世界大百科事典 「ラウターパクト」の意味・わかりやすい解説
ラウターパクト
Hersch Lauterpacht
生没年:1897-1960
オーストリア出身のイギリスの国際法学者。ウィーン大学,ロンドン大学に学んだ後ロンドン大学助教授,1938年からケンブリッジ大学の教授となり,55年国際司法裁判所判事となって大学を去った。ドイツ法学の堅固な理論とイギリス流の実証主義を調和した独特の学風をもって知られる。最初の著作で私法原理がいかに国際法に類推導入されてきたかを論じ(1927),《国際社会の法の機能》(1933)では国際社会の特質から国際法の可能性を論じた。第2次大戦後は《国際法と人権》(1950),判事としての経験を生かした《国際裁判による国際法の発展》(1958)などがある。なお《オッペンハイムの国際法》(2巻)は彼によって改訂が加えられ,教科書として今なお広く用いられている。
執筆者:筒井 若水
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報