出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
クマツヅラ科の常緑低木。枝は密に分枝し,黄橙,赤,緋紅色などの小さな花が花笠状に集まって咲く。和名のシチヘンゲ(七変化)は花の色が日がたつにつれて変わるのでつけられた。暖帯域では露地で,温帯では温室の鉢植えや夏の花壇に使われる。原産地は熱帯アメリカ。高さ1mくらいで茎には小さいとげがある。葉は対生し,卵形または卵状長楕円形で,先はとがり鈍鋸歯があり,やや厚い。花序は葉腋(ようえき)から出て,頭花状に多数の花が集まり,花笠状になる。花は漏斗形で先端は平開し4~5裂し,花筒は細長い。花径は約1cm。中心の花色と外側の花色の異なるのは花の新旧による。果実は小球形多肉質で黒色,種子1個がある。花色,形にいろいろな品種があり,また矮性(わいせい)品種が園芸用の鉢植えに使われる。しかし,熱帯圏では路傍や放牧場の有害雑草にもなっている。近縁種にコバノランタナL.sellowiana Link et Ottoがあり,茎は細く匍匐(ほふく)性で葉や花が小さく,花色は淡紫紅色である。またムラサキランタナL.lilacina Desf.は,花は紫色,果実は淡紫色で,直立状の花軸をなす。繁殖は挿木または実生による。木はじょうぶで作りやすい。暖地では戸外で越冬する。
執筆者:古里 和夫
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クマツヅラ科(APG分類:クマツヅラ科)の常緑低木。熱帯・亜熱帯アメリカ原産。日本ではシチヘンゲ(七変化)L. camara L.が栽培される。葉は対生し、卵形で長さ2~9センチメートル、縁(へり)に鋸歯(きょし)がある。葉腋(ようえき)から径7~8ミリメートルの小花が集まって開き、花笠(はながさ)状を呈する。花穂の中心から開花し、花色は初め黄色または淡紅色であるが、しだいに橙(だいだい)色または濃赤色に変わる。シチヘンゲの名は、この花色の変化に由来する。
日当りと水はけのよい所でよく育つ。耐暑性はあるが耐寒性はないので、冬季は室内で管理する。繁殖は挿木による。
[金子勝巳 2021年10月20日]
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