出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
食肉目イヌ科の哺乳類。ハイエナに似るが耳介が大きく丸く,肩よりも腰が高く,体に黒色,黄色,白色の不規則な斑がある。サハラ以南のアフリカの大部分に分布。体長76~112cm,尾長30~41cm,肩高61~78cm,体重17~36kg。体は比較的細く,四肢が長い。前足は第1指を欠き4指で,イヌ属(5指)と異なる。あごは幅広く強力で,歯数はイヌ属と同じ42本。臭腺(しゆうせん)が発達し,強い麝香臭を放つ。体色と斑紋の形は変異が著しいが,ふつう頭部が暗色で,尾の先端などは白い。草原や開けた林に群れですみ,ツチブタなどが捨てた土穴を巣とする。群れはパックpackと呼ばれ高度に社会的で,10頭内外で構成されるものが多く,そのうち成獣はふつう雄が4頭,雌が2頭である。狩りは朝と夕方早くに行われ,群れの成獣全員が1頭の獲物を追い,狩りの成功率は40~70%と高い。獲物は地方によって異なり,ヌー,シマウマ,トムソンガゼル,インパラ,リードバックなどの草食獣である。出産は一年中見られるが,3~6月の小雨期がピーク。妊娠期間60~80日,1産6~16子,平均10子を生む。野生での寿命は最長で11年。
執筆者:今泉 忠明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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