レバント会社(読み)レバントがいしゃ(英語表記)Levant Company

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レバント会社」の意味・わかりやすい解説

レバント会社
レバントがいしゃ
Levant Company

16世紀末~19世紀初めイギリスの地中海貿易を独占した貿易商人の組合。 1581年女王エリザベス1世から特許状を下付されてトルコとの貿易に従うため設立されたトルコ会社と,83年ベネチアからワイン,干しぶどう,オリーブ油などを輸入するために設立されたベニス会社とが,92年合併して成立。近代的な株式会社への過渡的形態である合本制をとった。貿易のおもな対象はコンスタンチノープルとその周辺で,アレッポスミルナ支店を設けた。毛織物をおもな輸出品として地中海貿易を進め,17世紀には非常に栄えたが,イギリス東インド会社,フランス人商人,密輸業者などの妨害のため次第に衰え,18世紀にはなんとか続行したが,1825年解散した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のレバント会社の言及

【カンパニー制度】より

…すなわち,本質的に個別資本の集合体にすぎず,個々の構成員の主体性が維持されているレギュレーテッド・カンパニーregulated company(制規会社)と,出資者の資本を集中して単一の企業活動を行うジョイントストック・カンパニーjoint‐stock company(合本制会社)とである。しばしば〈組合〉の訳語があてられ,中世ギルドの直系といってよい前者は,15世紀にイギリスからの羊毛輸出を握っていたステープル・カンパニーや16,17世紀に北西欧への毛織物輸出を独占した冒険商人組合(マーチャント・アドベンチャラーズ)などに代表されるが,ほかにバルト海貿易を展開したイーストランド会社(1579創設)や1592年に改組されてからのレバント会社(東地中海・トルコ貿易を独占した)などがある。他方,初期のモスコー会社(Muscovy Company,別名ロシア会社,1555設立)やレバント会社(1581年の創設時から92年まで)は合本制をとった。…

※「レバント会社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android