一会(読み)イチエ

デジタル大辞泉 「一会」の意味・読み・例文・類語

いち‐え〔‐ヱ〕【一会】

一つの集まり。特に、法会ほうえ、また茶会をいう。
一度の出会い。「一期いちご一会

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一会」の意味・読み・例文・類語

いっ‐かい ‥クヮイ【一会】

〘名〙
① 一度だけ会うこと。ただ一度の対面
※浮世草子・元祿大平記(1702)四「一会(いっクヮイ)にて、たんのふするとおもへども、わかれになればのこる恋風」
看聞御記‐永享七年(1435)一月二八日「然而一会之儀無為快然也」
黄表紙・高漫斉行脚日記(1776)上「なんと近日鶴が岡の茶屋で一くゎいもよほしたいもの」
遊女芸者などを呼んで遊ぶこと。
※歌舞伎・助六廓夜桜(1779)「『あそこに並んで居る二人が、話のあった突出しか』〈略〉『そりゃ耳よりだ。一会出ずばなるまい』」
④ 元会運世天地始終説で、一万八百年のこと。天地の始まりから終わりまでを一元といい、十二万九千六百年として、その十二分の一をいう。〔和漢三才図会(1712)〕
⑤ しばらく。わずかな時間。元来、中国の近世語
江戸繁昌記(1832‐36)四「諧謔一会、酔を謝して去る」

いち‐え ‥ヱ【一会】

〘名〙
① 一つの集まり。一つの会合集会
(イ) 説法、仏事などの集まり。一つの法会(ほうえ)。また、その場所。あるいは、その座にいる人々。
※正法眼蔵(1231‐53)重雲堂式「檀那の一会の看経を請せんはゆるす」
※伝光録(1299‐1302頃)摩訶迦葉尊者「ただ形の醜悴し、衣の麁陋なるをみて、一会ことごとくあやしむ」
(ロ) 芸能などの催し。演奏
※習道書(1430)「申楽の一会(ヱ)をなす役人、面々我一身習得する所をもて、心に又遠慮をもつべき道あり」
(ハ) 茶事。茶芸。
② ひとたび会うこと。「一期(いちご)一会」

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