一合（読み）イチゴウ

デジタル大辞泉

いち‐ごう〔‐ガフ〕【一合】

［名］
１
㋐尺貫法の容量の単位。「一合枡ます」
㋑尺貫法の地積の単位。「一坪一合」
２ 山の麓から頂上までの道のりの10分の1。「一合目」→合ごう
３ 剣道などで、互いに刀を一度打ち合わせること。「最初の一合で相手の実力を知る」
［副］（打消しの語を伴って）少し。いささか。
「自分において―も非道の沙汰は致さねども」〈浄・八百屋お七〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

いち‐ごう‥ガフ【一合】

1. 〘 名詞 〙
2. ① ある単位の十分の一を示す。
   1. (イ) ( 容積の単位 ) 一升(いっしょう)の十分の一。〔文明本節用集（室町中）〕
   2. (ロ) ( 土地の面積の単位 ) 一坪の十分の一。
      1. [初出の実例]「Ichigǒ(イチガウ)〈訳〉枡の十分の一。耕地や宅地の計り方」(出典：日葡辞書（1603‐04）)
   3. (ハ) 山のふもとから頂上までの道のりの十分の一。
3. ② ＝いっこう（一合）
   1. [初出の実例]「果して一合(イチガウ)の白木の箱を得て携へ来り」(出典：読本・昔話稲妻表紙（1806）二)
4. ③ 切り合いの際に、刀をまじえて一度打ち合うこと。
   1. [初出の実例]「まだ一合もしないのにアッと思ふと、左の長刀を真向からふり下して」(出典：天覧試合陪観記（1934）〈菊池寛〉)
   2. [その他の文献]〔宋書‐孟懐玉伝〕
5. ④ ( ①は少量であるところから、副詞的に用い ) いささか。少し。
   1. [初出の実例]「自分にをいて一合も非道の沙汰は致さねども」(出典：浄瑠璃・八百屋お七（1731頃か）上)

いっ‐こう‥カフ【一合】

1. 〘 名詞 〙 ふたのある容器の一個。
   1. [初出の実例]「膳櫃(おものひつ)一合」(出典：延喜式（927）一七)
   2. 「大なる折樻(をりひつ)一合に入て」(出典：今昔物語集（1120頃か）一九)

出典　精選版 日本国語大辞典