一般民法典(読み)いっぱんみんぽうてん(英語表記)Allgemeines Bürgerliches Gesetzbuch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一般民法典」の意味・わかりやすい解説

一般民法典
いっぱんみんぽうてん
Allgemeines Bürgerliches Gesetzbuch

マリア・テレジア発議ののち長い準備期間をかけて編纂され 1811年6月1日にオーストリアで施行された民法典。適用範囲はオーストリア帝国の盛衰とともに変動したが,東ヨーロッパ諸国にも及んだ。編纂には F.ツァイラー (1751~1828) の貢献が大きい。自然法的体系をとり,皇帝ヨゼフ流の啓蒙主義に立脚していた。プロシア一般ラント法に比べ簡潔 (全体で 1502条) かつ抽象的で,公法規定を含まぬ純然たる私法典である。また,規定には不備も多いが,概念的緻密さと体系的完全さでは卓越した法典である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android